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machine heads & maintenance


Ibanez/BTB675 ペグ破損・ナット調整・メンテナンス


ペグのシャフトが抜けてしまった状態になっているため、交換させていただきます。
併せて全体のメンテナンスも行います。


ところで、
今回は使用者様のセッティングとご要望を記述させていただきます。
  • Tuning→drop F~G
  • 弦高は少し高めが良い
  • 弦は現在のものを使用してご返却希望
との事。


強そう。


多分強い。
人柄がかなり優しかったのでギャップがすごい。



全体確認



まず全体を軽く確認。


5弦が高い感覚を抱き、
よく見るとナットの溝に弦がハマってない状態。


そして
引っかかりによる弦張力と接着面のグズりでナットが外れていました。


1度弦を外してナット溝を確認しようとしたところ、そのままナットと弦が仲良くくっついて来ました。



流石にこのままご返却は状態としても良くなくあまり気が進まないので、ご相談の後簡易修正を行わせていただくことにしました。



ペグ交換



交換するペグは金色になっている2箇所です。


現在応急処置的に他のペグが取り付いている状態ですね。


純正品への交換をしていきます。

※個人で取り寄せるのは難しい為、
代理店の星野楽器様に修理相談をするか、
近隣の楽器店へ取り寄せが可能か相談するのがオススメです。



裏の取り付けビス穴が緩くなっていたため、
ストラップピンの修正時と同様で埋め開け直しを行います。


  1. 穴を整える
  2. ダボ材を埋める
  3. 平面を出す
  4. 新しい穴を開ける
  5. 取り付け


今回はこの工程で行いました。





かっこいい


ペグのワッシャーが紛失している箇所があった為応急処置的に取り外したワッシャーを移植させて頂きました。
この部分単体で取り寄せるのは基本不可能です。(純正品の場合)



ナットと各種簡易調整



浮いていたナットを修正します。
チューニングがdropF~Gという事からテンション感が緩くなる為、それにあった弦溝の高さを目指します。


今回はナットの交換では無く現状のナットで最良の状態にする為、
先に溝部分の接着剤とナット自体に付いていた接着剤を剥がし、取り付けます。


そこから弦溝を整えて弦がハマるようにし、
屈折角をなだらかにする事で弦へのストレスがかかりずらい用にします。


2弦部分は接着剤で弦溝を底上げをしている形跡がありましたが、
・現状のナットを使用する
・削る余裕が無い
・出音に問題が無い
・使用者の方が特段気にしていない
以上の点を加味し、グズりを整えさせて頂くのみにさせて頂きました。


また、他で音が抜けてしまっている箇所の弦溝角度を整えます。


それに伴いナット表面の高さと角度を削らせて頂きました。




最終確認



ナット溝を調整した為1フレット上の弦高が3mmほど下がりました。
その為弦高も調整させて頂きます。


冒頭のご要望通り、
弦高高め、ダウンチューニング用のセッティングになる様に、
ネックの反りを調整した後、いわゆる一般的な弦高よりも高めにしオクターブ調整を行っていきます。


12フレット上で5弦から3.0~2.5の弦高。
アンプからの出力時にビビり等が目立たない状態を目指しました。
プレイスタイルによってはもう少し上げたいという可能性もあるため引渡しの際に微調整をさせていただきます。


拭きあげて納品ポヨ

追記



この年代のBTBにはロッド2本入っているのかという知識を与えて頂きました。